僕「こんばんはー。」
毎週木曜、午後7時〜9時。大学生の僕はこの2時間だけ先生になる。 まあ単なる家庭教師のアルバイトだ。生徒の名はナオコ、中学3年の女の子。
ナ「あっ先生!待ってたよーはやくはやく!」
僕「どうしたのいきなり?」
ナ「ほら見て、買ったの!新しい服!」
僕「なんだ、そんなことか。」
ナ「なんだとはなによー。ねえ、かわいい?」
僕「あーかわいいかわいい。じゃあ今日は英語な。」
ナ「なにそれー。適当ー。」
彼女の部屋の真ん中にある小さな机に隣り合って座り、テキストを開く。 それにしても蒸し暑い日が続く。Tシャツの首のあたりを持ってぱたぱたやるナオコ。
僕「こらこら・・・」
ナ「あー、胸見たな。」
僕「見てない。」
ナ「Bカップだけどまだまだ発育中だよー。」
僕「聞いてない。」
高校受験だというのに、全く勉強に集中しないナオコ。僕が来ている意味はあるのだろうか。
僕「じゃあ次の単語、analyze。意味は?」
ナ「うーん、何だっけ・・・」
僕「分析する、だよ。」
ナ「あたし、先生に分析されたいな・・・」
僕「なっ、バカ、何言ってる・・・」
ナ「あはは、赤くなってる、かわいいー。」
僕「あのなあ、先生をからかうんじゃないよ・・・」
そうこうしているうちに2時間が過ぎた。予定していた内容の半分も進んでいない。いつもこんな調子だ。 やれやれとため息をつき、お茶ごちそうさまでしたとナオコの母親に挨拶をし、僕はまた大学生に戻る。
ナ「あーあ、帰っちゃった・・・。よしっ、来週こそは携帯アドレス聞くぞ!」
written by はらぽん(ハラポネット)