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fast food text party(ファーストフードテキストパーティー)


eyes on me

「いらっしゃいませ!」
惚れた、その元気な声に僕は恋という文字をノートいっぱいに書いてしまうほどに惚れた。
「いらっしゃいませェェェェェェ!」
元気良すぎ!

僕は受験生の関口宏。勉強×2の毎日に疲れ果て気分転換にマクドナルドに行ったのが運の尽き。「恋って変な気持ち・・・あっ!また書き間違えちゃった!」そんな毎日に勉強は手に付かない。そして今日も店へ行く。

「いらっしゃいませ!」
「えっとハンバー
「いらっしゃいませェェェェェ!」
彼女は必ず「いらっしゃいませ」を2回言う。客の事はお構いなしだ。
「ポテトもいかがですか?」
「まだ頼んでないよ!」
「あっまたやっちった☆」
「ズキューン!!」
可愛すぎる。今日もハートを撃ち抜かれてしまった。ってあれ?本当に穴があいてる。
「全員床に伏せろ!」
「きゃあ!」
「静かにしろ!さぁこのバッグに金をいれやがれ!」
強盗・・・。あの子を守らなきゃ・・・。
「おやびん!金はいれやした!さっさとずらかりやしょうぜ!」
協力してるゥゥゥゥゥ!!!
「よし!ずらかれ!」
ダダダダダ・・・。彼女は風のように去っていった。春一番の如く凄まじい勢いで去っていく彼女の後姿に僕は呟いた。彼女が持ち去ったのは金だけじゃない。
「恋泥棒・・・」
その時彼女がこっちを振り向いて何かを叫んでいるのに気がついた。なんだ何を言っている・・・?

「ありがとうございましたァァァァァァ!!!!」