fftp

fast food text party(ファーストフードテキストパーティー)


高校生でハンバーガーでラブサイケデリコの時代

「いらっしゃいませ」

 なんて言われても歓迎されてないことなんてみんなわかってる。明らかに人が多すぎるし、レジは行列、なのに私達はここでもう三時間も喋りっぱなし。でも仕方ないんだよね、なんといっても高校生でハンバーガーでおまけに店内はラブサイケデリコだ。もうこれは喋るしかない状況。友達に彼氏ができて、そう親しくない人がそれを奪って、そのことで戦争が起こって、それはそれは激しいものだから、私達は面白くって仕方ない。ポテトが流星群のように降りそそぎ、コーラの海が戦場を染めながら、それでも私達は機関銃を撃ち続ける。全てはこの一瞬が延長線のように延びている今だから、レジは相変わらず長蛇の列、人は多い、テーブルを人が絶えず埋め尽くす。革靴がコーラに浸り、ラブサイケデリコが降りそそぐ。感謝の気持ちなんてないのはみんなわかってる。それでも店員は言うんだ、人だって消えるしそれよりなにより私達が消えるようにと願っているから。

「ありがとうございました」